テレワーク・リモートワーク・在宅勤務の違いとは?定義や働き方、類語をわかりやすく解説

派遣で働く 2021.09.29
テレワーク・リモートワーク・在宅勤務の違いとは?定義や働き方、類語をわかりやすく解説

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により、この数年で私たちの生活は大きく変わりました。 働き方もそのひとつで、「テレワーク」や「リモートワーク」「在宅ワーク(在宅勤務)」という言葉を耳にする機会が多くなったと感じている方も多いのではないでしょうか。

同じような意味で使われがちなこれらの言葉ですが、具体的にどのような違いがあるのか、はっきりわからないという方も少なくないようです。 この記事では、テレワークやリモートワーク、在宅ワークなど、ICT(情報通信技術)を活用した時間や場所に縛られない働き方の意味や定義などについて、詳しく解説します。

ウィズコロナといわれる昨今では、インターネット環境さえ整えれば、オフィスに出社することなく自分のライフスタイルに合わせて仕事をする人が増えています。在宅での仕事を始めてみたいとお考えの方は、ぜひ記事をチェックしてみてください。


テレワークとリモートワークの意味に明確な違いはない

テレワークとリモートワークの意味に明確な違いはない

定義が曖昧になっている「テレワーク」と「リモートワーク」という言葉ですが、実は明確な使い分けはなく、ほとんど同じ意味の言葉です。
どちらも、自宅やコワーキングスペース、シェアオフィス、カフェなど場所を選ばずに働くことを指しています。
テレワークは英語では「telework」と書き、「tele(離れたところ、遠距離の)」と「work(働く)」を組み合わせた造語です。リモートワークも同様で、英語では「remotework」と書き、「remote(遠隔の、遠く離れた)」と「work(働く)」を組み合わせた造語です。
このように「tele」と「remote」という単語の意味もほとんど同じであるため、混同されることが多いようです。

テレワークとリモートワークの違いは定義

ではどこが違うのかというと「定義」の有無が異なります。テレワークには定義がありますが、リモートワークには定義がありません。リモートワークは近年自然発生的に生まれた言葉だといわれています。
厚生労働省のテレワーク総合ポータルサイトによれば、テレワークは以下のように定義されています。

テレワークとは「情報通信技術(ICT=Information and Communication Technology)を活用した時間や場所を有効に活用できる柔軟な働き方」のこと。
出典元:厚生労働省 テレワーク総合ポータルサイト

テレワークの起源は古く、1973年にまで遡ります。
当時、アメリカ空軍とアメリカ航空宇宙局(NASA)の仕事を行っていたジャック・ニールズ氏(Jack Nilles)が、自分の働き方を「テレコミューティング(telecommuting)」と表現したことから生まれた言葉です。
その後、交通量が増えた影響による大気汚染の懸念、石油危機によるエネルギー不足などを背景として、自動車出勤を減らす目的で導入が進められていったといいます。
日本では、1984年に大手電気会社がサテライトオフィス勤務を始めたことが始まりとされていますが、その後、バブル崩壊とともにサテライトオフィスが次々と閉鎖。2000年代に入って家庭用高速回線が普及すると在宅ワークが増え始めました。

テレワークとリモートワークの使い分け

テレワークとリモートワークに明確な使い分けはありませんが、政府や公的機関、大企業では「テレワーク」が使われる傾向にあるようです。特に、厚生労働省がテレワークの意味を定義していることもあり、政府や公的機関では助成金の名称や政策などにテレワークという言葉が使われています。
フリーランスやIT系、クリエイティブ系の企業やカジュアルな会話ではリモートワークという言葉が使われているようです。
しかし、テレワークとリモートワークに使い分けに明確な基準はなく、使い分けが求められる部分もほぼないため、細かく気にせず使っても問題ないでしょう。

テレワークの3つの種類

テレワークの3つの種類

厚生労働省のテレワーク総合ポータルサイトによれば、テレワークは働く場所によって大きく3つの種類に分けられています。

テレワークの種類と働く場所
在宅ワーク・在宅勤務 モバイルワーク サードプレイスオフィス勤務
  • 従業員の自宅
  • 移動中の電車やバスなどの交通機関
  • カフェ
  • ホテル
  • 空港ラウンジ
    取引先など他社のオフィス
  • サテライトオフィス
  • シェアオフィス
  • モバイルワークオフィス
  • レンタルオフィス
  • コワーキングスペース

ここからは「在宅ワーク」「モバイルワーク」「サードプレイスオフィス勤務」について、それぞれ詳しく見ていきましょう。

在宅ワーク(在宅勤務)

在宅ワーク(在宅勤務)は、所属しているオフィスには出勤せず、自宅を仕事場所として働く勤務形態です。
在宅ワークの場合、企業ごとの規則によっても異なりますが、原則として自宅にいることが求められ、電話やメール、チャットツールやWEB会議ツールを使ってオフィスと連絡を取り合いながら仕事を進めます。
在宅ワークは就業形態によって、「雇用型テレワーク」と「自営型テレワーク」に分けられます。

  • 雇用型テレワーク……会社に雇用されている人が自宅で仕事をすること
  • 自営型テレワーク……注文者からの委託を受け、ICT(情報通信技術)を活用して自宅で仕事をすること。個人事業主や個人に近い小規模事業者を指す
原則としてオフィスに出社せず、リモートワークのみで完結する「フルリモートワーク(完全在宅)」、特定の曜日だけ出社するなどオフィス勤務とリモートワークと組み合わせた「ハイブリッドリモートワーク(一部在宅)」など、在宅ワークでも細かな条件は企業によって異なるため、事前に確認しておくと安心です。

また、昨今の新型コロナウィルス感染拡大防止の観点から、一時的に在宅ワークを実施している企業も含まれます

モバイルワーク

モバイルワークはモバイル勤務とも呼ばれ、出張やワーケーションなどの移動中の電車やバスなどの交通機関、カフェやホテル、空港ラウンジ、取引先など他社のオフィスなどで仕事をする働き方を指します。
モバイルワークの「mobile」は「可動性がある、移動型の」という意味です。
モバイルワークでは、働く場所を選ばず、移動時時間や待機時間を効率的に使って仕事ができるため、柔軟な働き方ができることがメリットです。直行・直帰であればオフィスに戻る必要もなく、仕事を終えればそのまま帰宅できるため、ワーク・ライフ・バランス向上にもつながります。

サードプレイスオフィス勤務

サードプレイスとは、ファーストプレイスとしての「自宅」、セカンドプレイスとしての「職場や学校」の他にも、居心地のいい第3の場所が必要である、という考えのもとで生まれた言葉です。アメリカの社会学者レイ・オルデンバーグが提唱しました。
この概念を働く場所に応用したのが「サードプレイスオフィス」で、さまざまなタイプがあり、サテライトオフィス、シェアオフィス、モバイルワークオフィス、レンタルオフィス、コワーキングスペースがこれに該当します。
本拠地のオフィスから離れた場所にあるオフィスで仕事をするという施設利用型の働き方で、「専用型」と「共用型」があります。


テレワークの類義語・関連用語

テレワークの類義語・関連用語

テレワークやリモートワークと似た言葉や、よく目にする関連用語をご紹介します。

ノマドワーク

テレワークと似た言葉に「ノマドワーク」という言葉があります。
ノマドワークの「nomad」とは英語で「遊牧民」を意味し、決まった場所ではなく、遊牧民のように仕事場を転々としながら仕事をする働き方です。
ノマドワークをする人は、ノマドワーカーと呼ばれます。意味としては、テレワークとほとんど同じですが、ノマドワークの場合は自宅やシェアオフィスなど固定の場所を持たない点が異なります。

クラウドソーシング

クラウドソーシングとは、企業や個人事業主がインターネット上で不特定多数の人に対し、業務を発注(アウトソーシング)する業務形態のことを指します。クラウドソーシングという言葉は、「crowd(群衆)」と「sourcing(調達)」から作られた造語です。
テレワークは「働き方」であるのに対し、クラウドソーシングは「仕事の業務形態」を指します。

テレワークや在宅ワークのメリット・デメリット

テレワークや在宅ワークのメリット・デメリット

テレワークや在宅ワークには、メリットもデメリットもあります。どちらもしっかり事前に確認しておき、自分の希望した働き方につなげましょう。

メリット

まずは、メリットを見てみましょう。

  • 通勤時間がなくなり、時間を有効活用できる
  • ライフステージの変化に合わせた働き方ができる(ワーク・ライフ・バランスの改善や向上)
  • 住む場所にとらわれず、地方移住や二拠点生活ができる
テレワークや在宅ワークでは、オフィスに出勤しなくてもよくなることで、時間が有効活用できるようになります。通勤時間がなくなることで時間を有効活用でき、満員電車や道路の渋滞などによるストレスも無くなります。
結婚や子育てなど、ライフステージの変化に合わせた働き方ができることもメリットです。

デメリット

デメリットとしては、コミュニケーション上の課題やセルフマネジメントの必要性が挙げられます。

  • コミュニケーション上の課題
  • セルフマネジメントが必要になる
  • 運動不足になりやすい
チャットやWEB会議ツールを使ったコミュニケーションの場合、オフィスで行う対面での会話とは異なり、意思の疎通がうまくできないことがあるため、意識的に交流を図ることが大切です。
また、在宅ワークの場合はプライベートと仕事の切り替えが難しいこともあり、セルフマネジメントが必要です。

テレワークや在宅ワーク向きの職種

テレワークや在宅ワーク向きの職種としては、主に以下のような仕事があります。

  • IT系(システムエンジニア、プログラマーなど)
  • CADオペレーター
  • 事務系
  • カスタマーサポート
  • テレマーケティング
  • 営業
  • 管理職
  • デザイナー、ライター、編集者、翻訳者 など

まとめ

近年では、テレワークや在宅ワークを導入する企業が増えています。
総務省発表の「令和3年通信利用動向調査の結果」では、ほとんどの産業でテレワーク導入割合が伸びており、情報通信業では97.7%がテレワークを導入していることがわかっています。

テレワークという働き方が広く浸透したことで、働く人にとってより仕事がしやすい環境が整ってきているといえるでしょう。
『ヒューマンリソシア』では、ハイブリッドリモートワーク、フルリモートワークなど多様な働き方ができる、豊富な在宅ワークのお仕事をご紹介しております。

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