もう少しで30歳を迎えられるとのこと。年代の区切りなど、人生の節目となる時期はこれからの生き方や働き方について意識することが多くなりますね。特に女性はライフステージの変化が多い30代を迎えるにあたって、何を基準に「自分の進むべき道」を選んだらよいのか、悩んだり、迷ったりするお気持ちはよくわかります。どうしても、他の人と比較して、つい羨ましく感じてしまったり、自分はこのままでいいのかと焦りを感じたりしがちですね。

しかし、一度しかない大切な自分の人生。自分の納得のいく生き方ができるように、これからの働き方や仕事の選び方についてじっくり考える良い機会だと、前向きにとらえてみましょう。

仕事の「やりがい」や「充実感」には、その人の「価値観」が大きく関わってきます。まずは、ご自身の価値観について、優先順位を考えてみましょう。そこで、参考にしていただきたいのが「キャリア・アンカー」という考え方。「アンカー」とは、日本語にすると「（船の）錨」という意味です。船が錨をよりどころにするように、人も職業人生の中で軸となる、譲れない価値観を「キャリア・アンカー」と言います。アメリカの組織心理学者シャイン博士により提唱されました。今回は、キャリア・アンカーを探るためのワークシートをご紹介します。ぜひ時間のある時に取り組んでみて下さい。

これから新たな経験をしたり、ライフステージの変化などによって、今後も変わる可能性はありますが、自身のキャリア・アンカーを把握しておくことで、選択の際の基準となり、仕事を選びやすくなると言えます。また、その価値観を叶えやすい仕事に就くことでやりがいや満足を得やすくなるでしょう。

前職では、多くの周囲の仲間と励まし合いながら、目標に向かって工夫し、達成して表彰されたりすることで充実感を得ていた、とのこと。もしかしたら、【CH】の「挑戦」や「競争」がご自身の価値観に近いのでは？と思いますがいかがでしょうか。それが現在の営業アシスタント事務のお仕事が少し物足りなく感じる所以かもしれません。もし、ご自身のキャリア・アンカーが「挑戦」や「競争」だとしたら、営業はまさに天職とも言えますが、何も営業ばかりがその価値観を実現する職種とは限りません。また、営業の仕事は全てハードワークとも限りません。身体や仕事以外の生活も大切にしながら、やりがいを感じつつ働き続けるために、キャリア・アンカーを参考にしながら、今後は何を大切に生きていきたいか、どんな自分を実現したいのかということをこの機会にじっくり考えてみましょう。

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【参考文献】
エドガー・H, シャイン（2003） 『キャリア・アンカー　自分のほんとうの価値を発見しよう（Career Anchors and Career Survival）』（金井寿宏 訳）白桃書房
エドガー・H, シャイン（2009） 『キャリア・アンカーⅠ　セルフ・アセスメント』（金井寿宏・高橋潔 訳）白桃書房
宮城まり子 （2002）『キャリアカウンセリング（21世紀カウンセリング叢書）』駿河台出版社